久々に映画のご紹介

「42~世界を変えた男~」 主演チャドウィック・ボーズマン

史上初の黒人メジャーリーグプレイヤー、ジャッキー・ロビンソンの伝記映画。1947年、キング牧師に代表される黒人の公民権運動以前、慣習としても、法律上でも厳然たる差別と区別化を受けていた時代、白人オンリーの野球界に誕生した黒人プレイヤーの物語です。罵詈雑言はもちろん、肉体的な危険や、家族にも及ぶ脅迫など筆舌に尽くし難い差別を受けながら、魂を振り絞る「克己心」で決してやり返すことなく、ただただ己のプレーのみで、チームメイトを、ファンを、そして世界を変えていきます。

私は途中から現ヤンキースのイチローの姿とかぶって涙が止まりませんでした。数々の記録を塗り替え、文句のつけようない実績がありながら、第5番手の外野手と扱われ、どんなに好調であろうと、何度スーパープレーを見せようと、スタメンには起用されません。それどころか、大差の付いた負け試合の終盤での守備固めや、代走など、まるで実績のない新人選手のように使われています。しかしイチローは出番があろうとなかろうと常に万全の順次をし、どんな起用であろうと全力でプレーし続けています。J・ロビンソンと同じようにズタズタにされた自尊心とやり切れない想いを魂を振り絞る「克己心」で封じ込め、ただただ己のプレーに徹しています。

アメリカ南部での試合で球場全体から罵声をあびせられ、立ち尽くすジャッキー・ロビンソンに南部出身のチームメイトがかけより、肩を組んで球場を見回して言います。

「ありがとう、あそこに、俺の家族が来ている。君のおかげで俺は家族に俺がどんな人間か示すことがができた」

J・ロビンソンがそれに答えます

「俺は野球が好きで、ただ野球がやりたいだけなんだ」

私はイチローの気持ちが少しだけ理解できた気がしました。

J・ロビンソンのデビュー試合の4月15日をジャッキー・ロビンソン・デーとして全選手が背番号42番をつけて試合を行います。そしてその背番号42番は唯一の全球団永久欠番となっています。

野球が好きな人もそうでない人も必見の映画です。ただ涙腺のゆるんだ中年オヤジは本当に注意が必要です、ハイ。泣くよ、ホント。