大阪府の「入学者選抜制度改善方針」ですがさらに詳細が煮詰まり教育委員会から「教育委員会案」公表されました。正式発表はまだですがこの教育委員会案が校長会にて承認されましたのでほぼ決定で間違いのないようです。大きな変更点は普通科の前後期入試が廃止され「一般選抜」として一本化されることになりました。そして現中2生は1年時からの成績が反映されると「噂」として伝えられてきた内申点の取扱いは評価方法を絶対評価とし29年度入試(現中1生)は2・3年(比率1:3)、30年度入試(現小6生)からは、1・2・3年(比率1:1:3)が評価対象期間となりました。つまり現2年生は3年生の成績のみが評定対象になります。また、全9教科の評定を同等に扱い、実施試験も原則5教科検査とし(技能を重視する学科は5教科に加えて実技試験を行う)など全体として評価対象期間を含め「学力」重視に移行した入学者選抜制度になっています。現行の主要5教科の不足分を評価倍率の高い副教科でカバーすることは出来ませんので「勉強は苦手だけど体育や音楽は得意」や「暗記が苦手なので理科社会のない3科目受験をしたい」子供達にとってはとても辛い制度変更になりました。 主要5教科を指導する「学習塾」としては「学力重視」の入試制度はさらに「塾」役割が強まると思われますので歓迎すべきなのでしょうが、「個性が大事」といいながら「オールマイティ」を求めていることに個人的には「ちょっと違うんじゃないの」という気持ちが強く、違和感を覚えています。学習塾をやっていると「勉強が不得意」な子供達が少なからずいることを実感します。「塾長、一生懸命やったけど、成績あがらへんわ」「ええやん、お前は体育と美術で5教科の不足分はカバーできるって、入試は内申と入試の合計で決まるんだから諦めるな」あるいは「塾長、1年、2年はサボってきたけど、3年からは本気で頑張るわ」「そうか、やっとその気なったか、まだ間に合うから本気で頑張れ」といった塾生とのやり取りが出来なくなることになります。私が一番好きな塾生とのやり取りなので本当に残念でなりません。 それでも1年からの成績が評価対象と思っていた現2年生にとっては朗報ではあり、「3年でやり直しが出来るんだから、頑張れ」とあと1年間は言ってあげることが出来るのがせめてもの救いではあります。