大阪府寝屋川市の市立中学校1年生の少女が被害者となった殺人・死体遺棄事件において行方不明となっていた同級生男子生徒も遺体で発見されるという最悪の事態となってしまいました。事件で報道される地名や駅名は地元と言っていいほどの、当塾の本当に近隣でおきた事件であり、犯人逮捕の重要な手がかりとなった国道170号線を日常的に利用しており、ましてや学習塾として子供達と密接に関係している私にとっては怒りや悲しみより、あまりに理不尽な事態にどう対応すればいいのか自分自身でもわからずにいます。

ただひとつだけはっきり言えるのは事件発生当初より、失踪前後の状況から、おもにネット上で展開されていた、あたかも交通事故の民事上の過失割合を論じるがごときの家庭環境を含む保護者の責任論や知ったかぶりの自己責任論は完全に間違ってるということです。今回の事件は暴行傷害殺人という刑事事件であり、ましてや被害者はわずか13歳の少年少女なのですから被害者の落ち度などありうるはずもない、加害者が一方的に起こした犯罪です。その事件が、昼間に起ころうと、夜9時に起ころうと、そして明け方の5時に起ころうと因果関係は犯人側だけにあるのであり、被害者には何の関係もありません。

私自身も学生時代に友人とはしご酒を繰り返し、気が付けば夜明けの商店街を酔っぱらってフラフラ歩いたことなど、それこそ数えきれないほどあります。深夜の帰り道や、夜明けの歩道を歩かなければならない事態は誰にでも起こりうることです。

予防策として「戸締りをしましよう」という話はあっても、「盗まれたのはカギをしなかったあなたが悪い」ということには決してなりません。犯罪は犯した者が100%悪いのです。裁判で考慮される情状酌量は犯罪を犯した者の環境についてのみ考えるべきものであり、被害者の状況や環境は一切かかわりがありません。

家庭内や仲間内での話ならともかく、掲示板をはじめツイッターやブログ等のネット上や、公の場で刑事事件の被害者関係者に責任を負わせる発言はゆるされないと私は思っています。

「いじめ」は傷害事件だし、「万引き」は窃盗罪です。いじめらる側にも、店舗側にも非を問うことなどしてはならないし、ましてや暴行傷害殺人です、被害者やその関係者に送られるべきは、ただただ哀悼の言葉だけです。

こころよりご冥福をお祈り申し上げます。役立たずな社会で本当にごめんなさい。