昨日の土曜日の振替授業で夏期講座が終了しました。当塾は原則として夏期講座等の特別講座は外部募集をしないので、毎回在塾生のみで行っています。当塾の場合、学校の長期休校時に行う特別講座は基本的に通常授業の補助と考えているので、学校授業が止まっている間にできる復習や次学期の予習を理解度や進捗状況に合わせて学習していきます。個別学習ですから、使用する教材も難易度も違いますので、塾生の学力レベルや性格を把握せずに特別講座のみを受講しても効果がないと考えています。ですから当塾の場合、在塾生は特別講座を全員が参加していただいていますし、入塾の際もそのことを了解したうえで入塾していただいています。終了後も塾を続けてもらうのを目的に夏期講座などの受講生を募集するのが一般的ですが、当塾は特別講座の受講は入塾が条件ですので夏期講座のみという申し込みはお断りしています。小さな個人塾なのに少々傲慢なのかもしれませんが、「塾生集め」を塾の目的にはしたくないと考えています。

DSCF8884 (640x480)合宿で最終日まで振替になったラクビー部5人組。

最近は紹介したくなるような本や映画になかなか巡り会わないのですが、久しぶりに何点かご紹介。

「路」 吉田修一 Kindle版

日本の新幹線車両・技術を初めて海外輸出した台湾新幹線開設を舞台にした、映画で言う「グランドホテル形式」のドラマです。とはいっても開設工事や技術はメインテーマではなく、「台湾新幹線」との関わりが濃淡織り混ざった普通の人達の物語で、受注から完成までの期間の中で少しづつ繋がっていく登場人物達がラストで同じ車両に乗り合わすことになります。悪人も不幸になる人も出てこないですし、吉田修一さんは文体のリズムが良いので、一気に読んでいくことが出来ます。私は根っからの出不精で、年齢とともにその出不精具合に拍車がかかっているのですが、この本を読んで台湾に行ってみたくなりました……まぁ、行かないでしょうがネ。

「先生のお庭番」 朝井まかて Kindle版

「お庭番」といっても江戸幕府の忍者的な「お庭番」ではなく、シーボルトの薬草園を管理する文字通りの「お庭番」となった少年を軸にした物語です。シーボルト関連の本は吉村昭さんの『ふぉん・しいほるとの娘』ぐらいしか読んだことがないので、とても興味深く読むことが出来ました。元々、少年の成長物語がとても好きなのでその点でも私としては高評価になります、ハイ。初めてこの著者の本を読んでみて面白かったので続けて大阪の野菜問屋を舞台にした「すかたん」という作品も読んだのですが、こちらは私には今一つでしたので、今後、この作者を追いかけるか思案中です。

「岳飛伝-第14巻」北方謙三 集英社

いよいよ大詰めとなり、岳飛梁山泊連合軍・南宋軍・金軍の直接最終決戦が始まりました。「岳飛伝」では第1シリーズである「水滸伝」からの主要キャラクターが毎巻ごとに一人づつ死んでいくのですがこの巻では李俊が亡くなり、生き残っているのはとうとう九紋竜史進のみとなってしまいました。あと1,2巻で完結でしょうが、史進が死んだら泣くね、きっと(前に同じことを書いた気が)。

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