大学、短大、高専、専門学校への進学者が対象の給付型奨学金制度が正式に決定いたしました。2018年から実施されますが、一部の対象者には2017年から支給されます。日本の奨学金はそのほとんどが“奨学金”とは名ばかりの単なる“教育ローン”に過ぎません。通常、ローンなどの“借金”は一定の収入なり、担保がなければ借りることはできず、“教育ローン”であれば親や保護者名義となりますが、この“奨学金”は収入はおろか“職業”すら決まっていない未成年者に何百万円の“借金”を背負わせてしまいます。この“奨学金”返済に苦しんでいる大勢の若者がいることは事実ですから、今回の給付型奨学金制度が正式に決まったことは良いことなのだと思います。ですがこの制度の対象者は高い学業成績や、学業以外の活動で成果をあげた生徒から高校が推薦して選ぶことになっています。私はこのことがとても気になっており、高校生の時点で、高い学業成績や立派な活動成果を上げることができる生徒は他人の助けなど借りずとも将来的に自力でなんとかやっていけるのではないかと思うのは私だけでしょうか。教育における経済格差問題において、真っ先に手を差し伸べなければならないのは“成績優秀な高校生”ではなく、相対的貧困家庭におかれている小中学生ではないのかと私は思っています。特にシングルマザーが、ダブルワーク、トリプルワークで仕事を掛け持ちしても、量的、栄養的に満足できる食事すら与えられていない子供達をまず先に助けるべきじゃないのかと。貧困家庭の連鎖を止めてからで良いのではないかと思います、“成績優秀な高校生”に手を貸すのは。
今年もあと10日余りを残すだけとなりました。来年が素晴らしい年になりますように。