授業中のBGMは引き続き「トスカニーニ」シリーズ。昼間はネットラジオ「オッターバ」です。
えー、取り敢えず前回の続きということで、映画と本のご紹介。
「ライフ・オブ・パイ」 監督アン・リー
監督は「グリーンディスティニー」や「ブローバックマウンテン」のアン・リー。この監督はアクションから恋愛物からと幅広いのですが、どれも監督の癖が感じられない“職人さん”監督であります(ブローバックマウンテンでアジア人としては初のアカデミー監督賞を取っています)。この映画は正直、演出的にも内容的にも私自身はそんなに面白いとは思わなかったのですが、とにかくCGが過ごすぎます。ここまで作りこめるのかと。もう何年も前から「実写なんて必要ない、フルCGで作れる」とは言われてきましたが、遂にアニメ的(あの「アバター」もどこかアニメ的でありました)なものから脱却し、実写と区別がつかなくなりました。しかし、あまりに“リアル”にこだわり過ぎて、逆に映画としての“リアリティー”を失ってしまったある意味に不幸な映画でもあります。
「鉄の魔導僧」 ケヴィン・ハーン 早川文庫
本屋で何気になく手にし、パラパラとめくってそのままレジへ持って行った作品。神さま、女神さま、悪魔に、吸血鬼に、狼男にとダークファンタジーの役柄総出演ですが、なんとなんとこれがとても楽しい作品でした。何十年かぶりに平井和正の「ウルフガイ」シリーズを思い出しました(それも初期の、つまり面白かった頃の)。「だからネットで買ってばかりでなく、ちゃんと本屋さんにも足を運ばなきゃね」と改めて思い直した次第であります、ハイ。
とても残念だった作品もご紹介
いや、きっと舞台も映画も本当に面白いのでしょうが、小説としては残念ながらあまり面白くありませんでした(期待が高かったせいもあるのでしょうが)。「現代語訳」で描くと本の紹介にありますが、「現代語訳」ではなく「現代口語訳」ですので、活字で読むと知性も品も感じられない現代口語にうんざりします。いや、映画は面白いでしょうから観ますけどね、ホント。
このほかにも海外ドラマの「Dr.ハウス-シリーズ7-」を一気観とか、とにかく、たくさん観て、たくさん読んだ、夏休みでした。